2024年4月16日火曜日

回帰















 【今週の一枚】













Diane Birch - Flying On Abraham [Legere Recordings 2024]

ミシガン生まれのフィメイルSSW、Diane Birchの11年ぶりとなる3rdアルバム。

2013年の2nd「Speak A Little Louder」には非常に深く感銘を受け、当時愛聴したものだったが、その後彼女が青春時代に深く影響を受けたニュー・ウェーブのバンドのカヴァー集「The Velveteen Age」を発見したり、先鋭的なミニ・アルバム「Nous」もフォローしていたが、待望の新作のリリースに心躍る思いだ。

10年を超える年月の間に彼女自身様々な音楽性を模索してきた事は想像に難くないが、結果的にバック・トゥ・ルーツ、バック・トゥ・ベーシックというべきスタイルに回帰している。

デビュー作を発表する前にはビバリーヒルズのラウンジでソウル・ミュージックの名曲やオリジナル曲をピアノ弾き語りで歌っていた経歴を持つ彼女が模索の末に辿り着いた音楽がこの作品に詰め込まれていると言えるだろう。

7月にはブルーノート東京で3日間にわたる来日公演を予定しているらしく、今作の音楽性が会場の雰囲気にとても似つかわしく思え、今から楽しみにしている次第だ。