2024年8月5日月曜日

キャビン






















 【今週の一枚】













Lau Ro- Cabana [Far Out Recordings 2024]

呆れ返る程の酷暑が続く毎日だけれど、そんな今夏のサウンド・トラックはこちらに決定。

Lau Roはブラジル・サンパウロ生まれで現在は英国ブライトンを拠点に活動するSSWで今作がデビュー・アルバム。

彼はネオサイケデリック・バンドWax Machineのフロントマンとしても活動しており、3枚のアルバムをリリースしている。

今回の作品では自ら歌い、ギターにベースにドラム、ピアノにフルートを演奏という具合でマルチ・インストゥルメンタリストぶりを遺憾なく発揮しているが、Isobel Jonesをはじめ管楽器や弦楽器にゲスト奏者を迎えて制作された模様。
60年代から70年代のブラジルのルーツ・ミュージックへの憧憬を感じさせるサウンド・スタイルを標榜するLau Roだが、ボサノヴァやアンビエント・フォーク、トロピカリアなどのエッセンスを自然に取り入れつつ、オリジナリティ溢れるスタイルを確立しているように思えた。
比較的簡素なアレンジが施されているにも関わらず、非常に濃厚な音空間を現出させている手腕は実に見事と言えるだろう。
インストを交えた全10曲収録時間38分と長くもなく短くもない作品だが、ずっと聴き続けていたくなるような中毒性を孕んでいる。
オープニングの「Onde Eu Vou」からして掴みは抜群だけれど、3曲目の「Assim」やWax Machineのメンバーとの共作となった9曲目「Lugar」あたりに特に感銘を受けた次第だ。

アルバムのタイトルの「Cabana」は今作がレコーディングされた庭の奥にある小さな木造小屋(キャビン)にちなんで名づけられたそう。