【今週の一枚】
Quickly, quickly - I Heard That Noise [Ghostly International 2025]
オレゴン州ポートランドの若き俊英Graham Jonsonによるソロ・プロジェクト、quickly, quicklyの4年ぶりのセカンド・アルバム。
前作に引き続きGhostly Internationalからリリースされた。
自宅の地下スタジオKenton Soundでレコーディングが行われ、全ての楽器の演奏、ミキシング、プロデュースをたった一人で行った完全なるDIYアルバム。
前作ではローファイ・ビートを駆使したサウンド・メイキングが注目を集めたが、今作はノイズやサウンド・エフェクトをちりばめつつもメロディを強調した作風となっている。
現在25歳の彼だが、ビートルズのサイケデリックな魅力の虜になっていたようで、特に「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」がお気に入りなのだとか。
今回のアルバムを聴いていると「Tomorrow Never Knows」なんかにも相当影響を受けているように感じられる。
コンセプチュアルなアルバム作りを目指して制作されたそうだが、圧巻はラスト・トラックの「You Are」だ。
牧歌的なアンビエント・フォークで始まるこのトラック、作品の終盤にかけて壮大な轟音ノイズに覆われていく様には聴く度に圧倒されてしまう。
コレ、たった一人で作っているんだよなあ。