【今週の一枚】
Billy Woods - Golliwog [Backwoodz Studioz 2025]
ワシントンDC生まれでNYを拠点に活動するラッパーBilly Woodsによる2年ぶりの新作アルバム。
ソロ名義では9作目だが、Armand HammerやSuper Chron Flight Brothers、The Reaversといったグループのメンバーとしての活動やKenny SegalやMessiah Musik、Moor Mother等とのコラボ作など、20年を超えるキャリアのなかで驚くほどに多数の作品をリリースしている。
アブストラクト・ヒップホップ、アンダーグラウンド・ヒップホップなどとカテゴライズされる彼の音楽だが、百花繚乱ともいうべきヒップホップ・シーンにおいても特に異彩を放っているように思える。
ホラー映画のサウンドトラック作のような側面を持ちつつ、どこかユーモラスでもあり、流麗なメロディも散りばめられていて実にミステリアスな音楽だ。
今作は自らが主宰するBackwoodz Studiozレーベルからのリリースで、数々のコラボレーターを迎えBilly本人がExecutive Producerを務めている。
5曲目の「Waterproof Mascara」では唐突に日本語のサンプリングが絡められており驚かされたが、これは1997年の映画「CURE」の台詞を採用している模様。
楽曲単位でいうと「Corinthians」や「Lead Paint Test」あたりに特に感銘を受けた次第。
ところでBilly Woodsはステージ・ネームで彼は本名を明かしておらず、宣材写真でも一貫して顔を隠しているというのだから徹底している。