【今週の一枚】
Quadeca - Vanisher, Horizon Scraper [X8 Music 2025]
LA出身のシンガーにしてラッパーQuadecaことBenjamin Laskyによる4thアルバム。
彼の出自はユニークで11歳で自身のYoutubeアカウントを開設、ゲーム実況をしつつラップ・ミュージックに傾倒していき14歳でフリースタイルラップの動画をUPし始めたそうだ。
現在25歳の彼は既に10年以上のキャリアがあるワケだが、今回のアルバムも通り一遍のヒップ・ホップ作品とは一線を画す、正に一筋縄ではいかない内容となっている。
クラウド・ラップ、エモ・ラップの文脈で語られる事の多いQuadeca、アコースティック・サウンドやストリングスの絡め方が絶妙で、時にポエトリー・リーディング調になったり、オート・チューンでエフェクトがかけられたりする彼自身の歌唱も実に味わい深い。
先行シングルとなった「GODSTAINED」はフォークトロニカ調のトラックにポエトリー・リディングを絡めた流麗な佳曲で、アルバム終盤の「THE GREAT BAKUNAWA」ではDanny Brownをフィーチャー、攻撃的かつ強烈なラップを披露している。
この作品は海をテーマにしたコンセプトアルバムだそうで、フィリピンのカミギン島でQuadeca自身が撮影した映像作品もUPされている模様。
ネットから現れた若き才能による一大叙事詩的作品、存分に堪能したいトコロだ。



