2025年2月17日月曜日

OK















 【今週の一枚】













Oklou - choke enough [True Panther Sounds 2025]

Oklouはパリ出身のプロデューサー、SSWの Marylou Maynielによるソロ・プロジェクトで今作がデビュー・アルバム。

自身に加えてCasey MQ、Danny L Harle、A. G. Cookといった面々がプロデューサーに名を連ねている。

これまで彼女はOneohtrix Point NeverやCaroline Polachekのサポート・アクトを務め、MuraMasaとコラボーレートした事もある模様。

今回の作品に先駆けて「For The Beasts」と「The Rite Of May」という2枚のEPをリリースし注目を集めた彼女、それから7年の歳月を経て待望のフル・レングスを発表した。

昨年傑作を出したBecky and the Birdsも然りで英語圏以外の出身でありながら全編英語詞で憂いを帯びたエレポップを展開しており、ワールドワイドを視野に活動する気概が感じ取れる。

underscoresをフィーチャーし、先行シングルになった「harvest sky」も素晴らしいが、なんといってもタイトル・トラックの「choke enough」のクオリティが突出しているように感じられた。

Oklouというネーミングは「オクロウ」と読んでしまいそうになるが、正しくは「OK、ルウ」だそう。





2025年2月10日月曜日

アラバマの
















 【今週の一枚】













Waxahatchee - Tigers Blood [Anti- 2024]

空気が乾燥しきったこんな季節には、やたらとアメリカーナのサウンドが染み渡るよなあ、としみじみ。

そんなワケで前回取り上げたMJ Lendermanもゲスト参加しているWaxahatcheeことKatie Crutchfieldの6thアルバム。

彼女もMJと同様にAnti-レーベルに移籍して初の作品となった。

レコーディングはSonic Ranch Recording Studiosで行われ、Brad Cookがプロデュースを手掛けている。

2020年の前作「Saint Cloud」でルーツ・ミュージックへの傾倒を見せた彼女だが、今作でもそのスタイルは継続されており、大いに歓迎したい。

今回のアルバムは数々のレビュー・サイトで絶賛を集め、2025年のGrammy賞のBest Americana Albumにノミネートされた。

今年はRyan Adamsの傑作1st「Heartbreaker」の25周年ツアーも敢行されたりと、オルタナ・カントリーが俄然盛り上がっているように思えるし、彼女の公私のパートナーのKevin Morbyにもそろそろ新作を期待したいトコロ。









2025年2月3日月曜日

はなび










 【今週の一枚】













MJ Lenderman - Manning Fireworks [Anti- 2024]


ノース・カロライナのインディー・ロック・バンドのギタリストとしても活躍しているMJ Lendermanの4作目のソロ・アルバム。

今作がAnti-レーベルへの移籍第一弾となった。

Z世代のニール・ヤングという異名を持つ彼だが、正に言いえて妙ではないだろうか。

弛緩しているようで芯の通ったアメリカーナ・サウンドは実に中毒性が高いと言えるだろう。

レコーディングはツアーの合間をぬってアシュビルのスタジオDrop of Sunで行われ、彼自身と友人のAlex Farrarがプロデュースを手掛けている.

先行シングルとなった「She's Leaving You」や「Joker Lips」をはじめ佳曲揃いのほんさくにあって圧巻はラスト・トラックの「Bark at the Moon」で何の変哲もない朴訥なフォーク・ロックから轟音アンビエント・ノイズに変貌していき10分に達する長尺作に仕上がっている。

影響を受けたギタリストにソニック・ユースのサーストン・ムーアとリー・ラナルドを挙げていたが、その片鱗が窺える楽曲のように思えた。







2025年1月27日月曜日

曲がり











 

【今週の一枚】













Magalí Datzira - La salut i la bellesa [Bankrobber 2024]

スペイン、バルセロナのMagali Datziraの2ndアルバム。

2023年のデビュー作「Des de la cuina」に引き続き2年連続でのリリースとなった。

7歳でコントラバスを演奏し始め、13歳にしてJoan Chamorroが主宰するSant Andreu Jazz Bandのベーシストに抜擢されたという彼女、自身のソロ活動も活発かつ旺盛だ。

ジャズを下敷きにしつつもその音楽性は本当に自由そのもので、多彩極まりないと言える。

アルバムを通して楽曲のクオリティが高いが、なかでも5曲目の「Pedacos」には大いに感銘を受けた。

2019年には同郷のトランペッターAndrea Motisのバンド・メンバーとして来日を果たしている彼女、そろそろ単独での来日にも期待したいトコロ。







2025年1月20日月曜日

永劫回帰










 

【今週の一枚】













Jonah Yano - Jonah Yano & The Heavy Loop [Innovative Leisure 2025]

広島生まれのカナダ人アーティストJonah Yanoの3rdアルバム。

M3「No Petty Magic」にはHelena Deland、Ouriがゲスト参加しているが、M5「Snowpath」でいまをときめくClairoがクラリネット演奏を披露しているのがひときわ目を引く。

2022年のClairoの欧米ツアーでJonahがフロントアクトとして帯同したり、と親交が深いようだ。

全8曲で収録時間が55分という今作、ラスト・トラックの「The Heavy Loop」はなんと30分を超える大作だ。

アンビエント・ジャズやポスト・ロックの長尺曲にインスパイアされたそうだが、日本のフィッシュマンズの「ロングシーズン」にも大いに影響を受けたそう。

アルバム・タイトルにもあるように7曲目までがセルフ・タイトルの作品で「The Heavy Loop」だけが独立した楽曲という捉え方をしているようだ。

昨年もアコースティック・セットでの来日はあったが、今年に入ってすぐ大阪と東京のビルボード公演を敢行した模様。

前作を聴いた時も感じたが、彼の音楽はどこかで聴いた事があるようで、比較対象になりそうな音楽が思いつかない、そんな独自性を秘めていると思える。





2025年1月14日火曜日

二十歳
















 【今週の一枚】













LANA - 20 [LANA MUSIC 2024]

湘南出身のラッパーLANAのデビュー・アルバム。

自身が20歳になったのを区切りに、それまでの人生をまとめる意味でアルバムをリリースしたようだ。

彼女の事を知ったのはAwichの2nd収録の「Bad Bitch 美学 Remix」でNENE、MaRI、AI、ゆりやんレトリィバァと一緒に参加していたのを聴いたのがきっかけだが、その濃過ぎる面子のなかにあって、最年少ながら凄まじい歌唱力で異彩を放っていたのに大いに衝撃を受けた。

その後2023年2月発表の「TURN IT UP」のMVをYoutubeで見つけて滅茶ハマってしまい、昨年4月のZepp新宿の単独公演に一人で足を運んでしまったくらいなのだ。

いまもって振り返っても明らかに会場内で自分が最年長だったし、あそこまで若い女子達から熱狂的な支持を受けているのには本当に驚かされた。

今年4月には「20 at BUDOKAN」と銘打ちヒップホッパーとしては史上最年少で単独武道館公演も計画されている模様。

これからの快進撃に大いに期待したいところである。







2024年12月26日木曜日

今年の十枚














Roy Blair - Chasing Moving Trains [Warner]

Mustafa - DUNYA [Jagjaguwar]

Fred again.. - ten days [Atlantic]

Lau Ro- Cabana [Far Out Recordings]

Kiasmos - II [Erased Tapes]

Mk.gee - Two Star & The Dream Police [R&R]

Salvia Palth - Last Chance To See [Danger Collective]

Iglooghost - Tidal Memory Exo [LuckyMe]

1010Benja - Ten Total [Three Six Zero Recordings]

Kali Malone - All Life Long [Ideologic Organ 2024]