【今日の一枚】
Moses Boyd - Dark Matter [Exodus Records 2020]
活況を呈す新世代UKジャズ・シーンにおいて最重要人物の一人と目されるMoses Boyd。
ドラマーとして数々の作品に参加、プロデューサーとしても活躍する彼だが、自身の名を冠した作品は今作が初めてとの事。
Nubya GarciaやGary Crosbyをはじめとした数多くのゲスト・ミュージシャンを迎えて制作された本作、ホーン・セクションが前面に打ち出された序盤からエレクトリック・ギターにフォーカスを当てた「Y.O.Y.O」に繋がっていきPoppy AjudhaとObongjayarのスタイルの違う二人のヴォーカル曲が並んだのちにJoe Armon-Jonesのピアノをフィーチャーした「2 Far Gone」を挟んで終盤に向かってクラブ色の強いサウンドが展開されていくのだが、その構成力は実に見事だと思う。
アルバムの随所で目を見張るべきドラム・プレイが展開されているが、と同時にプログラミングも大胆に導入されている。
サウス・ロンドンのコンテンポラリー・ジャズ・シーンの隆盛ぶりをひしひしと実感できる充実作だと思う。