2024年12月26日木曜日

今年の十枚














Roy Blair - Chasing Moving Trains [Warner]

Mustafa - DUNYA [Jagjaguwar]

Fred again.. - ten days [Atlantic]

Lau Ro- Cabana [Far Out Recordings]

Kiasmos - II [Erased Tapes]

Mk.gee - Two Star & The Dream Police [R&R]

Salvia Palth - Last Chance To See [Danger Collective]

Iglooghost - Tidal Memory Exo [LuckyMe]

1010Benja - Ten Total [Three Six Zero Recordings]

Kali Malone - All Life Long [Ideologic Organ 2024]

 

Selection 2024




















01.Looking Out - 1010benja [Ten Total]
02.Panavision - Roy Blair [Chasing Moving Trains]
03.BIRDS OF A FEATHER - Billie Eilish [HIT ME HARD AND SOFT]
04.Totem - Tycho [Infinite Health]
05.Love You Got - Kelly Lee Owens [Dreamstate]
06.When she holds me - Becky and the Birds [Only music makes me cry now]
07.祝福 - さらさ [Golden Child]
08.Assim - Lau Ro [Cabana]
09.Call It Love - Nilüfer Yanya [My Method Actor]
10.Add Up My Love - Clairo [Charm]
11,SNL - Mustafa [Dunya]
12.Ever Seen - Beabadoobee [This Is How Tomorrow Moves]
13.Daydream Repeat - Four Tet [Three]
14.SXC - Mura Masa [Curve 1]
15.Coral Mimic - Iglooghost [Tidal Memory Exo]
16.The Believers - Kim Gordon [The Collective]
17.Be Forever Like A Curse - Fink [Beauty In Your Wake]
18.Make Friends - Hiatus Kaiyote [Love Heart Cheat Code]
19.Water - Tyla [TYLA]
20.IF I'M GONNA GO ANYWHERE - Eels [EELS TIME!]
21.Dazed - Kiasmos [II]
22.Kfm - Madi Diaz [Weird Faith]
23.Get Numb To It! - Friko [Where we've been, Where we go from here]
24.Arooj Aftab - Raat Ki Rani[Night Reign]
25.Wish You Could Be Here - Helado Negro [PHASOR]
26.it could be anything - claire rousay [sentiment]
27.last chance to see - salvia palth [last chance to see]
28.Club classics - Charli XCX [BRAT]
29.just stand there - Fred again.. & SOAK [ten days]
30.Lucky - Erika de Casier [Still]
31.Cubic Zirconia - Katy Kirby [Blue Raspberry]
32.John Williams - The Innocence Mission [Midwinter Swimmers]


2024年12月23日月曜日

不朽











 

【今週の一枚】













The Innocence Mission - Midwinter Swimmers [Bella Union 2024]

毎度思うことだけどThe Innocence Missionを全く聴いたことのないヒトに「このヴォーカル、まだ10代なんだよ」と言っても殆どが信じてくれるんではないだろうか。

ペンシルベニア州ランカスターの高校の同級生で1986年に結成され、デビュー・アルバムをリリースしたのが1989年、今作が4年ぶり13作目の作品となる。

「永遠の少女の歌声」と言っても過言ではないKaren Perisのヴォーカルは健在で、作品を追う毎に瑞々しさを増しているようにさえ思えてしまう。

40年近くにわたる長い活動のなかでも殆ど音楽性が変わることはなく、今回のアルバムも正にエバーグリーンと呼ぶべき珠玉の楽曲集に仕上がっていると言えるだろう。

今作は先行シングルにしてオープニング・トラックの「This Thread Is a Green Street」を夫のDon Perisと共作している以外はすべての楽曲をKarenが作曲しており、彼女のソングライターとしての力量を存分に堪能できる作品となっている。

それにしてもこれだけ長くやっていると作品のクオリティにバラつきが出そうなモンだけど、彼らの音楽は本当に安定しているし、かつ魅力的だと思う。

これからもずっと色褪せる事はないんだろうなあ。










2024年12月16日月曜日

呪縛











 

【今週の一枚】













Fink - Beauty In Your Wake [R'COUP'D 2024]

FinkことFin Greenallの5年ぶりの8thアルバム。

英国Cornwallで生まれBristolで育った彼だが、現在はBerlinを拠点に活動している模様。

初期の作品からずっとNinja Tuneレーベルから作品をリリースしてきたFink、現在は自ら主宰するR'COUP'Dから作品を発表している。

コロナ禍の2022年には仏リヨンのフィメイルSSW、Claire Daysのデビュー・アルバム「Emotional Territory」に共同プロデューサーとして名を連ね、演奏にも参加するなど全面的にバックアップ、これがまた非常にイイ仕事をしているのだ。

さて5年ぶりの今作だが、これまでの彼の作品に見られたエレクトロ・ミュージック的な要素は完全に鳴りを潜めており、完全にフォーク・ミュージックに振り切った仕上がりとなっている。

とはいえこれまでも彼の音楽の核心にはシンガー・ソングライターとしてのアティチュードが据えられていたのも事実で、そんな彼が電子音を排してフォーク・アルバムを作るのはそんなに不自然な話でもないと言えるだろう。

アルバム全体を通しての統一感は実に見事だと思えるが、なかでも3曲目の「Be Forever Like a Curse」や7曲目の「One Last Gift」のクオリティが突出しているように感じられた。

1972年生まれという事で52歳になるというFinkだが、これからも息の長い活動ぶりに期待したいトコロである。









2024年12月9日月曜日

うっとり










 

【今週の一枚】














Clairo - Charm [Clairo Records 2024]

ClairoことClaire Elizabeth Cottrillの3年ぶりの3rdアルバム。

2017年に寮の部屋で自作した楽曲「Pretty Girl」がネット上でバイラルヒットとなり一気に注目を集めた彼女、2019年の1st「Immunity」と2021年の「Sling」の2枚のアルバムもそれぞれ高い評価を集めてきた。

前作も70年代フォークの影響が感じ取れたが、今回の作品はよりレイドバックした印象が強くソウル・ミュージックやソフト・ロック、サイケデリック・フォークの文脈に連なるサウンド・メイキングが施されている。

共同プロデューサーを務めたLeon MichelsはBig Crownレーベルの創設者でEl Michels Affairのリーダーとして活動しているが過去にNorah Jonesの作品にも携わったようだ。

最初の印象はちょっと洗練されて過ぎているのでは、もう少し破綻を感じさせてくれる音のほうが好みかなあ、なんて思わされたりしたのも事実だが、聴き返すうちにコレはコレで面白みがあるかも、なんて思うようになっていった。

楽曲単位でいうと「Thank You」と「Add Up My Love」が抜きんでている印象で、彼女のソングライターとしての力量を証明しているように思える。

1998年という事でまだ20代半ばの彼女、これからも息の長い音楽活動に期待したい。







2024年12月2日月曜日

 


【今週の一枚】













Caribou - Honey [Merge 2024]

カナダ出身で現在ロンドンで活動するDan SnaithことCaribouの4年ぶりの6thアルバム。

DanはManitobaやDaphniという別名義でも活動しており、20年を超える活動の中で十数枚の作品をリリースしている。

なかでも2014年に発表した「Our Love」はグラミー賞のベスト・エレクトロニック・ダンス・アルバムにノミネートされた程の高い評価を受けている。

10月には9年ぶりとなるバンドセットによる単独来日公演と朝霧JAMの出演を果たし大いに好評を博した模様。

今作からは「Honey」、「Broke My Heart」、「Volume」、「Come Find Me」がそれぞれシングル・カットされており、いずれも実に魅力的なダンス・ミュージックとなっている。

彼自身、「活動を始めた当初から音に対する好奇心は全く変わっていない」という趣旨の発言をしており、それが無くならない事を幸運な事だと受け止めているようだ。

ポップ・ミュージックとして高い完成度を誇りつつ、細部に耳を傾けると実験精神の塊のようなサウンド・メイキングとなっているのは本当に見事だと思える。

今年は盟友的存在のFour Tetもアルバム「Three」を発表し話題を呼んだが、本当にエレクトロ・ミュージック豊作の年だったなあとしみじみ。