【今週の一枚】
Fink - Beauty In Your Wake [R'COUP'D 2024]
FinkことFin Greenallの5年ぶりの8thアルバム。
英国Cornwallで生まれBristolで育った彼だが、現在はBerlinを拠点に活動している模様。
初期の作品からずっとNinja Tuneレーベルから作品をリリースしてきたFink、現在は自ら主宰するR'COUP'Dから作品を発表している。
コロナ禍の2022年には仏リヨンのフィメイルSSW、Claire Daysのデビュー・アルバム「Emotional Territory」に共同プロデューサーとして名を連ね、演奏にも参加するなど全面的にバックアップ、これがまた非常にイイ仕事をしているのだ。
さて5年ぶりの今作だが、これまでの彼の作品に見られたエレクトロ・ミュージック的な要素は完全に鳴りを潜めており、完全にフォーク・ミュージックに振り切った仕上がりとなっている。
とはいえこれまでも彼の音楽の核心にはシンガー・ソングライターとしてのアティチュードが据えられていたのも事実で、そんな彼が電子音を排してフォーク・アルバムを作るのはそんなに不自然な話でもないと言えるだろう。
アルバム全体を通しての統一感は実に見事だと思えるが、なかでも3曲目の「Be Forever Like a Curse」や7曲目の「One Last Gift」のクオリティが突出しているように感じられた。
1972年生まれという事で52歳になるというFinkだが、これからも息の長い活動ぶりに期待したいトコロである。