【今週の一枚】
Nourished By Time - The Passionate Ones [XL Recordings 2025]
Nourished By Timeは米国人SSWにしてレコード・プロデューサーMarcus Brownによるソロ・プロジェクト。
メリーランド州ボルチモアに生まれ現在はロンドンを拠点に活動する彼、今作が2ndアルバムでXL Recordings移籍第一弾となった。
レコーディングはボルチモア、ロンドン、ニューヨークで行われセルフ・プロデュースで完成された。
自らの音楽を「ポストR&B」と形容する彼だが、確かにR&Bでありながらもどこか異質な感じがするのは間違いない。
リズム処理が所謂王道ブラック・ミュージックのそれではないというか、往年のニューウェーブの影響を色濃く感じるのだ。
実際にScritti PolittiやThe Blue Nileなんかが引き合いに出される事も少なくないようで、個人的にはThe Blow MonkeysのDr.Robertを想起させられた。
プリンス、フランク・オーシャン、ソランジュらへのリスペクトを公言しているようで、確かにどのアーティストも良い意味で「逸脱した」音楽を生み出している。
リード・シングル「Max Potential」や「9 2 5」も素晴らしいが、ラスト2曲「When The War Is Over」から「 The Passionate Ones」への流れが生み出すカタルシスは格別のものと言えるのではないだろうか。
彼の関心は音楽だけに留まらず、写真、映像、パフォーマンスアートなどにも広がりを見せているようで今後の幅広い分野での活躍に期待したい。



